悲しい細腕

私の腕は細い。悲しくなるぐらい細い。その細腕にもかかわらずロレックスのスポーツタイプの時計を着用していた時期もあった。エクスプローラーⅡ、ヨットマスターロレジウム。どちらも6時側を最短に詰めても、まだ長い。仕方なく、オイスターブレスをカットした。

日ロレで確か工賃3000円。ブレスカットは日ロレが一番安いと思う。オーバーホールはクソ高い(といっても総合的に考えたら安いけど)、ブレスカットは安い。一般の業者だと数万円かかるはず。ブレスカットは、ある意味でコマ詰めの延長であり、サービスの一環として安い価格設定になっているのだろう。


オイスターブレスをカットするのはもったいないとか思う人もいるが、私はあまり気にしない。転売時に困るとかは、転売時に困ればよいので、自分が余裕している間は気持よく着用したい。カットしたら、オイスターブレスに段がつくが、その段に気づく人間は、自分以外にいない。

そういうわけで、規定の革ベルトも自分が納得するサイズなど、ない。これはとても残念だ。しかし、世の中にはチンコが細すぎて市販のコンドームが合わないという人もいるだろう。そんな人の悲しさを考えると、まだ私は救われる。ベルトはオーダーできるから。コンドームはそんな簡単にオーダーメイドなんてできないだろう。

たくさんの時計を買っては転売を繰り返し、最後に残った時計がパテックのref.3796、細腕にはちょうどいい大きさのドレスウォッチ。本来なら特別な機会のための一本なのだろうが、私はこれしかないので、日常使いしている。子供と遊園地に行くときも、これ。

3796のアイボリーダイヤル。ロレックスのダイヤルについても、飽きが来ないほど語ることは多いが、3796のアイボリーダイヤルも見ていて飽くことはない。埋め込まれたゴールドのミニッツマーカーやスモセコは多少オヤジ臭さを感じさせるけれど、ドーフィンハンドの鋭さで上手に中和される。針がリーフだったら、完全に、爺さんの時計になるけれど、ドーフィン、特にパテックのドーフィンは寒気さえ感じる鋭さがある。

盤面をよくみると、カメラの画像ではとてもとらえられないほどの魅力がある。樹脂製のダイヤルは、表面が陶器の釉薬みたいに透明の膜がかかっているように見える。よーっくみると、Patek Philippeの文字が釉薬みたいな膜の下(盤の底面?)に影を作っている。こんなことなど、ルーペで見ないと誰も気づかない。アイボリーという色味も、ライトによっては若干赤みを帯びて見えることもあり、その魅力は到底カメラで表現できるものではない。

今日も、ネジを巻く時間がやってきた。手巻きは面倒臭いという考えもあるけれど、巻き上げる数分間の時間は、私にとっては大切な時間。手間暇かけてネジを巻くというより、ネジを巻く時は、何も考えることもなく、「何も考えないことに集中する」という不思議な表現がピッタリと合う。時計にとっても、ゼンマイを巻き上げてもらうことは大切かもしれないが、私にとっても心を空っぽにできる、実は非常にありがたい時間でもあるのだ。

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アルコール依存とベンゾジアゼピン系薬物依存の記録。

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