脳の中で線香花火

ベンゾジアゼピンの離脱禁断は、どんなものが来るか予測できない。えっ?こんなものまで出るの?という症状が出るのだがけど、今日は、比較的判りやすい症例。

脳の中で、線香花火みたいなものがシュパパッ、シュパッっはじく。実際に目に線香花火みたいな光が見えるわけではない。あくまで脳の中でシュパッ、シュパッっと音がする。音と同時に、頭から顔の神経に広がる。不快なわけではなく、ややもすると気持ちよく感じることもある。

もちろん、シュパッ、シュパッのペースは自分でコントロールできるものではなく、それはシャックリのペースと同じ。だいたいが、2回連続でシュパッ、シュパッと来て、しばらく止み、またシュパッと不定期に起こる。まるで脳の中に電極を突っ込まれて、それを不定期に通電したような感じだろうか?

こんな症状が出ても、治療中の人は自分の症状を医者に上手に伝えられないと思うので、大変だと思う。医者に、「脳の中で線香花火がフラッシュするんですよ」と言っても、言われた医者もよく判らないのではないだあろうか。

しかし、こんな症状は訳の判らない症状の1つであって、その他の訳の判らない症状と合体してやってくる。なんとなく共通していると思われるのは、感覚器官に作用するということだろう。聴覚も、聞こえなくて良い音がやたら目立って聞こえる。例えば、時計のチック・タック。日頃はチック・タックなんていう音は聞こえていても無視できるはず。しかし、一旦チック・タックが気になりだすと、だんだんだんだんチック・タックが増幅して響きだす。それは、とてもひどくて、音が歪んで聞こえるという表現がピッタリかもしれない。

視覚もおかしくなる。熱されたアスファルトの表面を見ているように、周りの光景がゆらりゆらりとゆがんで見える。目がイカれているのか、脳の感覚がイカれているのか判らない。そのままユラユラと見えるのがヒドくなって倒れてくれればよいのだが、気合ぢゃと気を張ると数秒間はしっかりしてもいれれる。どうも中途半端である。

この程度の症状は、まだまだ初期症状で、気が狂うといったものではないが、気持ち悪くて気持ち悪くて仕方がない。このヘンテコリンな口で上手に説明できない症状が、なおさら、この系統の薬の離脱禁断を困ったものにしているのだろう。

アルコールが切れたのなら、発汗して頭が熱くなり、熱っぽく感じ、手が震えだして、そこから体も震えてくる。さらに飲まないでいると中には幻覚みたりする人もいるだろう。幻覚は、目を開けて見るものもあるが、目を閉じてみるものもある。目を開けて幻覚見て、目を閉じても幻覚みたらそれはそれでたまらない。ただ、アルコールの場合は、相場がだいたいそんなもんである。だいたい、予想できる症状だから、前もって心の準備しておけば対抗にはそれほど困らない。最低、焦って怖くなるということはない。その、症状だけに集中して対応するだけでよいのだから。

ところが、ベンゾジアゼピンの離脱禁断は、まるで真っ暗闇の中を手探りで歩んでいるがごとく、次に何に手を触れるか判らないという恐怖と戦わなければならないので厄介だ。闇の中を手探りで、その先にはカミソリが待ち構えているのか、それともヤケドをするような熱い何かなのか、触ってみないと判らない。そういう危険に合わないように手探りで先を探しながら歩くなどと調子良くは行かない。というのは、手探りで何かに当たったら、もしそれがカミソリだったら、その瞬間に手を切られているから。

脳の中で線香花火。シュパッ、シュパッ。それはこれから長く長く続く、地獄へのプレリュードなのかもしれない。

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Author:YJ
アルコール依存とベンゾジアゼピン系薬物依存の記録。

I hope this blog is of some help to those wandering in the darkness with no way out like I used to be.

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